ケープペンギン(アフリカンペンギン)を飼育している動物園・水族館・鳥類園の皆様へお願い申し上げます‼️

2023 年 9 月 29 日 金曜日

9月17日(日)以降、「世界中でケープペンギンを思う一週間」というムーブメントについてお伝えしております。

専門の飼育施設でケープペンギンに日々接していらっしゃるスタッフの皆様は既によくご存知の通り、最近半世紀の間にこのペンギンの野生個体群は急激に減少し、特にこの10年間では、「種としての存続が難しくなるレベル」まで減少しつつあると懸念する専門家が増えております。

実際、9月3日~9日にかけてチリで開催された第11回国際ペンギン会議(IPC XI)の場でも、地球温暖化、気候変動、海洋汚染、餌生物の乱獲などによる餌不足や鳥インフルエンザの蔓延、ペンギンの混獲・密猟などによって、さらに個体数減少が加速しつつあることが報告されました。

昨日=9月28日(木)付でご紹介した「冨澤様からの情報」も、実は、冨澤様のお知り合いである南アフリカのTWO OCEANS AQUARIUM のスタッフが作成したリーフレットでした。

世界各国の動物園や水族館では、2016年現在、3,842羽のケープペンギンが飼育されており、2023年現在では、おそらくその数は4,300羽を超えるのではないかとも考えられています。

一方、ナミビアと南アフリカに分布する野生個体群は、2016年現在、約25,100つがい(成鳥約50,000羽)、2023年現在は約22,000つがい(成鳥約44,000羽)前後ではないかと推計されています。

ということは、現在、野生のケープペンギン(成鳥)の約10%に相当する個体が飼育されているとも言えるのです。

日本でも、全国各地の飼育施設で多くのケープペンギンを観察できます。フンボルトペンギンに次いで二番目に飼育個体数が多い種類ですから、ひょっとしたら「ごくありふれたふつうのペンギン」だと思われているのかもしれません。

先ほどご紹介した南アフリカのTWO OCEANS AQUARIUM でもケープペンギンが飼育されていますが、地元の水族館だけあって、常にこのペンギンを巡る環境問題や保全活動に関する情報発信、教育活動を積極的に行っています。添付の写真(4枚)は、2016年に撮影した水族館と情報発信の様子です。

今回の機会=「世界中でケープペンギンを思う一週間」を利用していただき、日本でも、ケープペンギンが直面している深刻な問題について、動物園・水族館・鳥類園などでの情報発信を積極的に行っていただきたいと考えております。

関連の皆様のご理解とお力添えを、改めて心からお願い申し上げます。

コメントをどうぞ

ページトップへ