キングペンギンが深い海中で捕食する世界初の映像と研究結果が発表されました‼️

2025 年 5 月 29 日 木曜日

 5月28日(水)、東京大学大気海洋研究所から以下のようなタイトルの発表がありました。

 「ペンギンが暗い海で魚を捕まえる世界初の映像」

 この情報は、その後、いくつもの情報媒体で紹介され、話題となっています。発表内容の詳細につきましては、東大の大気海洋研究所の専用サイト(下記)にてご確認下さい。

https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2025/20250528.html

 この研究は、東大の大気海洋研究所の研究者(3人)とフランス国立科学研究センターシゼ生物学研究所との共同研究で、学術雑誌『Ecology』に論文が発表されたものです。

 最大のポイントは、大型の野生のペンギンに「赤色発光ダイオード(LED)光源付ビデオカメラ」を装着し、水深100メートル以上の海中で魚を捕食する映像を記録した点にあります。

 これまでは、アデリーペンギンやジェンツーペンギンなど中型の野生のペンギンに小型ビデオカメラが装着され、太陽光が届く水深10メートル前後の海中での生態(捕食生態含む)が記録・分析されてきました。今回初めて、「大型のキングペンギンが水深100メートル以上の海中で魚を捕食する映像が記録された」ことは、ペンギンの海中での生態だけでなく、その肉体的生理的機能(視覚・色覚・聴覚など)、獲物となる魚(今回はおそらくハダカイワシが中心)、他の捕食者(海生哺乳類や大型魚類など)との関係について、多くの新たな研究テーマを提供するきっかけとなることでしょう。

 ちなみに、キングペンギンは、ケルゲレン諸島で繁殖している個体で、2024年2月2日に記録されたとのことです。特に興味深いのは、キングペンギンは、獲物の魚にほとんど気づかれることなく、捕食の0.5~1.5秒前に魚に接近し、136回中118回の捕食に成功(捕食成功率86.8%)したという点です。

 魚がなぜペンギンの接近に気づかないのか?ペンギンはどのように暗い海中で獲物を視認しているのか?これらの謎の解明がとても楽しみです。

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