『ナショナルジオグラフィック』のネットニュース(2025年5月28日)によれば、「ペンギンの糞でオキアミの急旋回が通常の3倍になった」という研究結果が学術雑誌に掲載されたとのことです。
タスマニア大学(オーストラリア)のニュル・ヘレシー博士を筆頭とする研究チームは、学術雑誌『Frontiers in Marine Science』(2025年3月20日)に、南極海に生息するナンキョクオキアミの群れにアデリーペンギンのフンを流し込んだところ、オキアミの旋回運動が通常の3倍に増加し、摂食行動の減少(通常の64%以下)が見られたという研究結果を発表しました。
内容や、他の専門家による評価につきましては、以下の記事をお読み下さい。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/052700287/
南極周辺には膨大な量(数)のナンキョクオキアミが生息しているため、アデリーペンギンのフンによって、南極海全体のオキアミの生態に大きな影響が及ぶことは考えにくい状況です。また、ナンキョクオキアミは、ペンギン以外にもヒゲクジラや魚類などの基本的な餌生物ですので、これらの捕食者のフンや行動からどのような影響を受けているのかについても、比較・分析が進めば、南極海全体の食物連鎖や海洋生物の分布を考える上で、なんらかのヒントが得られるかもしれません。