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2011・エディンバラ動物園訪問記〜その2〜「名物『ペンギンパレード』もペンギンしだい!!」

2011 年 10 月 15 日 土曜日

日頃の悪行の報いと「北都の8月の気候」とのダブルパンチをまともに受けて、久々のエディンバラ動物園訪問は、冷たい雨の大歓迎をうけました(~_~;)!!20〜30分おきに雨雲が通りすぎるので、間欠的に降り続く雨の隙間を縫っての見学となりました。

さらに…、この動物園は、もともとこの地方特有の海岸丘陵の斜面に造られているため、入園者は、「丘登り」を強いられます。まあ、埼玉県の「ペンギンヒルズ」もかなりの登りをのりこえないと「ペンギン拝観」がかないませんが、エディンバラの登りは、それを上回る健脚向きです!!

また、これも埼玉県と同じなんですが、園内を「専用トラム」(埼玉だと「サイポッポ」)が走っていますから、これに乗って頂上まで行ってしまい、そこからおもむろに坂を下ってくる、というのも1つの作戦でしょう。広さの感覚で言えば、埼玉子ども動物園と旭山動物園の中間くらいでしょうか?そういえば、旭山も「斜面動物園」ですね!

傘をさしながら、坂を流れてくる雨水を避けつつ、前傾姿勢で黙々と登り続けること15分。メタボオヤジの息があがりきる寸前、やっと目的のペンギンプールが見えてきます。このアプローチは、数十年前と全く同じ!

ただ、ペンギンプールは拡張され、周囲のフェンスも改善され、プール全体を見渡すポイントには「子供用遊具」と芝生広場が造られていました。一言で言えば、「スッキリした」感じです。昔は、どのポイントでも「金網の隙間から覗きこむ」ことが基本で、施設内部を網やフェンスやプラスチック板なしで観察できませんでした。だから、写真が撮影しにくかった。

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今は、かなり以前の大改装で、屋根つきの観察スペースや「吊り橋の上からの観察ルート」、イワトビ専用スペースの近接観察ルートなどが追加されて、様々な観察が可能になりました。

さて、有名な「ペンギンパレード」ですが、私が初めて訪れた時代とは、かなり様変わりしていました。まず、昔は、「基本的に土曜・日曜はひどい嵐でもない限り必ず実施」が原則でした。また、パレードルートは、飼育施設からずっと歩道を登り、人垣があろうとなかろうと数百メートルの距離を踏破するのが当たり前でした。もう1つ、パレードには、キング、ジェンツー、イワトビ、マカロニの4種類が必ず混合で参加していました。

今は違います。まず、「基本的にペンギンの意思に委ねる」という原則が貫かれています。つまり、施設の扉を開いても、ペンギンが出て来なければ「パレードは中止」され、かわりに飼育担当者による「ペンギントーク(マイクによる解説)」となります。また、ルートは基本的に施設から遠くない範囲に限定され、必ずフェンスか人垣がつくられます。それがなければ、やはりパレードは中止です。さらに…、第1の原則が優先しますから、ペンギン4種が必ずパレードに出るとは限りません。

実は、我々が訪れたこの日、再三にわたるアナウンスの後、一応「最短のパレードルート」は人垣で確保できましたが、結局ペンギンが外に出ず、パレードは中止となりました。断続的に降り続いた雨の中、百人弱の観客は傘をさしたり「動物園特製ポンチョ」を着たりして辛抱強く待ち続けたのですが…。

なぜ、動物園はこのような方針転換をしたのか?なぜ、少なからぬ観客は文句も言わず、黙々と待ち続け、中止となっても不平を漏らさないのか?もうおわかりですね(^○^)!!動物園は、「ペンギンパレード」を「ペンギンショー」にはしたくない、あるいは、「ペンギンショーではない」と主張しているのです。そして、観客も、その動物園の主張を理解している。

エディンバラ動物園は、先進の「ペンギン動物園」として、「なぜペンギンを飼育するのか?」という根源的な問いを、常に自らと観客とに投げかけているのです!!

次回は、「演示」について見ていきましょう。

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