近藤鉄也さんのチリ便り〜第25回〜前回の「ネズミの食害に関する報道の詳報」をいただきました(^○^)!!

2012 年 6 月 26 日 火曜日

では…、近藤様からいただいたメールを以下にご紹介致します(^○^)!!

上田様

お世話になります。
我々の調査地についての記事が掲載されていたのでお知らせいたします。
Los ratones amenazan la subsistencia de los pingüinos de Humboldt que viven en Algarrobo | soychile.cl
見出しは、
「ネズミがアルガロボに生息するフンボルトペンギンの生存を脅かしている。」です。

要約すると、「ネズミはアルガロボとコキンボに生息するフンボルトペンギンの生存にとって新たな脅威となる移入種。
メルクリオ誌(チリの有名な新聞です)によると、研究者は齧歯類による卵の食害を推測していたが証拠がなかったため、以前雛が産まれたことのある巣に鶏の卵を置いてそれらをモニタリングした。その結果、コキンボでは70%がクロネズミから被害を受け、10%がミナミオオセグロカモメによるものだった。一方アルガロボでは、53%がネズミで、16%がカモメ。その多くは夜間による食害だ。
「ネズミは移入された捕食者で、それ故本来の捕食者であるカモメよりも多くの被害をもたらす。」とこの研究を行ったシメオネ氏は語っている。」…です。

フンボの生態を知らない人がこの記事を読むと、まるでフンボの減少がネズミの食害であるかのような誤解を与えそうです。ネズミによる食害があることも事実ですが、食害される多くは浸水のため親鳥に見捨てられた卵で、ネズミが食べなくても個体数には寄与できない卵です。

ネズミのせいでカモメの餌が減ったというなら理解できますが、他の要因でペンギンが減っていることには目を向けず、ペンギン減の責任をネズミに押し付けたいのでしょうかね。
シメオネ氏が公表したことを一般市民受けする形に加工した記事のように感じました。
少なくともペンギンが減っていることを伝えるものですので、我々にとっても意義のある記事とも思いますが。

別件ですが、
人工孵化した雛は順調に成長しております。

また連絡いたします。

近藤

近藤様、ご丁寧にありがとうございましたm(__)m!!

実は、この詳報は、私が「再度情報を送って下さい」とリクエストして、それに近藤さんが応えて下さったものですm(__)m!!前回=第24回と重複する部分もあると思いますが、近藤さんの見解や、チリの研究者=シメオネ博士(私やペンギン会議にとっても、もう20年近いお付きあいのあるチリの代表的研究者です)の見解、それからチリの代表的マスコミの理解…等が、コンパクトに紹介されていて、フンボルトペンギンの保全や研究について、様々な立場の方々の見方が確認できるという点で、非常に有意義なレポートだと考えております(^○^)!!

近藤様、今後とも何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m!!

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