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遊び道具シリーズその5:動く紙製オルゴール

2010 年 2 月 26 日 金曜日

世界には、物凄い「オルゴールコレクター」がいらっしゃるようだ。オルゴール博物館や豪華なオルゴール専門店も数多くあるから、この世界にのめり込むと、きっと大変なことになるのだろう。

以前にも二度、たしか「クリスマスグッズ」と「スノードーム」の時に、オルゴール付きの「ぺもの」をご紹介した記憶がある。

「ぺもの堂店主」としては、オルゴールというくくりで「ぺもの」を仕入れた経験や意識は全くない。しかし、長年「ぺもの」を漁っていると、いつの間にかオルゴールが集まってくるから不思議だ。ひょっとしたら、ペンギンというキャラは、オルゴールと相性が良いのだろうか?そういえば、イノシシやヘビのオルゴールというのは、あまり見かけないような気がする。偏見だろうか?

ともかく、このオルゴールには、思い出がある。仕入れは、もう30年以上前。場所は、アルト・ハイデルベルク。古城に登る途中の、小さなオルゴール専門店のウインドーに飾ってあった。

高齢の店主に聞くと、「売り物ではない」という。「ある仕掛けオモチャの一部で、その中で回すと親子のペンギンが何十羽も動いているように見える」という。金属のボウルのような「入れ物」がなくなってしまって、オルゴール人形だけが取り残されたのだそうだ。

注意して見ると、作者のサインがある。CH.POUMEYROLという人は誰?と尋ねると、店主の髭面がニヤッと笑った。「昔はいろんなイタズラをしたものさ。」そういうと、店の奥から大きな金属のボウルを持ってきた。「このボウルじゃ完全じゃないんだがね…」とブツブツ言いながら、オルゴールのネジを巻き、ボウルの底にペンギンを立てた。
ペンギンの親子は「キラキラ星」のリズムに合わせて、ゆっくり回転しはじめる。すると、ボウルの側面に「ガラスボールの上でクルクル回る親子ペンギン」が映しだされた。

ペンギンのオルゴール01 ペンギンのオルゴール02

「簡単な手品さ」と店主は微笑む。「しかも完全じゃないがね」

それでもいいです!!30分ほど粘って、店主を説得した。「そうかい、そんなにペンギンが好きなのかい。変わった人だね。」そう言って、やっと売ってもらえた。「うちの看板代わりだったんだがね…」1958年のものだそうだ。

「大事にしてくれよ!」こわい顔で念を押された。もちろん、大切にしていますよ!

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