ボースマ博士という人(第20回ペンギン会議全国大会でわかったこと、始まったこと:その1)

2010 年 12 月 14 日 火曜日

ペンギン会議創立20周年記念、全国大会にご参加下さった皆様、本当にありがとうございました!!
また、ボランティアスタッフの皆様、並びに当日お手伝い下さった全ての皆様に、改めて心よりお礼申し上げます!!

おかげさまで、200名を超える方々のご参加をいただき、多くの貴重なご意見や、ご提案をいただき、ペンギン会議の「基本的役割」を、ある程度全うできたかな?と考えております。
私自身の体調不良があり、皆様にご心配をおかけ致しましたが、今は復調しつつありますので、ご安心下さい。

さて、今回の「全国大会」は、「ペンギン会議創立20周年記念」ということで、様々な「特別企画」を準備致しました。
その最大の「目玉」が、ワシントン大学のP.ディー・ボースマ博士をお招きしたことです。博士は、皆様すでにご覧いただいたように、極めて気さくで行動力とパワーがあり、柔軟で明るくポジティブな考え方をなさる方です。

これから何回かに分けて、ボースマ博士や博士に随行されたトム・ライデン氏のことをご紹介しながら、今回の「全国大会」で何が話されたのか?何か新しいことが始まったのか?ということについて、私の考えていることを、書いていきたいと思います。

さて、実は、会議の2日後、博士ご一行をご案内して、江戸川区動植物園を訪問し、夕方には成田空港までお見送りしてきました。その途中、ほぼ半日、博士ご一行とはたっぷりいろんなお話をしました。
会議直前〜終了直後には、実は私はとても忙しく、博士ご一行とゆっくりお話する時間が全く確保できなかったのです。

その時に、博士は「今後の課題」について、たっぷり語って下さいましたし、ライデンさんからはかなり重要な「協力関係樹立」に関する具体的提案がありました。
その内容は、次回以降に譲るとして、今回はまず、博士からのプレゼントをご覧に入れましょう。

緑の箱には「3 Piece Pin Set」とあります。だから、この中にはウッドランド動物園の特製ピンズが3つしか入っていないはずなんです。
でも、どう見てもピンズは6つありますよね!これは、マニアの私のために、博士がわざわざ私の好きなピンズを3つ足して入れてくれたのです!!ボースマ博士という方は、そういう細かい、一種日本人的な「気遣い」をされる方なんです。

でも、一方で、パワフルで一直線でもあります。例を2つあげましょう。

博士との最初の出会いは、22年前「第1回国際ペンギン会議(1988年)」の時でした。
8日間にわたる会議が終わったあと、博士とオタゴ博物館のジョン・ダービー博士に誘われて、オタゴ半島のキガシラペンギンの保護区を観察して回ったのです。

今から考えると、本当に贅沢な「個人授業」でした。2人の「ペンギン生物学」の第一級の研究者に案内されながら、直々にキガシラペンギンを題材にした「フィールドワーク」の手解きを、しかも本物のキガシラペンギンを扱いながら教えていただいたのですから。
観察は、ほぼまる1日続きました。私たち3人は、オタゴ半島の海岸線をいくつもの牧場や起伏を踏破しつつ、ペンギンについて語り合いながら観察して回りました。
その間、約10時間、立ち止まったのは、キガシラペンギンを見つけた時と、ペンギンを捕まえようと追いかけていた家族を見つけて「お説教」した時だけ。
ランチなし!コーヒーブレイクなし!ぶっ通しの「踏破」でした。

私は、楽しいし興奮してもいましたが、かなりバテバテ。「あら…、大丈夫?」と、ボースマ博士は声をかけては下さるものの、歩く早さは全く変わらず…。かなり、鍛えていただきました。

いったんフィールドに出た時の「ペンギン生物学者」はタフな探検家に変身する。そういう「教訓」を得たフィールドワークでした。

ボースマ博士が「一直線」である2つ目の例は、つい最近、博士ご一行を成田空港までお送りする道中でのことです。

江戸川動植物園を見学し、近くのロイホで昼食をとったあと、我々はタクシーで新小岩駅にむかい、そこで成田空港行の快速電車を待つことになりました。
ホームのベンチで博士は、やおら大きな紙を広げ始めました。

そう!あの「エンペラーペンギン双六」です!!

「私、これが気に入ったの!昨夜、高橋さんが『質問カード』を英訳してくれたから…、今度はゲームボードの『書き込み』を訳さないとね!
大学で学生と試してみたいのよ。彼らがどんな反応を示すか試してみたいし、楽しみだわ!!」と、はしゃいでいるのです。

「はい、これはどういうこと?」ゲーム盤上の「マス」に記された「指示」を、次々に指差して「英訳」と説明を求めてきます。
「フンフン…なるほどね!」とか「あら、スタート地点に戻されちゃうの!かわいそうに!でも、当然よね!!」とか、そのリアクションも楽しいものでした…が、質問はホームだけでは終わらず、快速電車の車内、しかもつり革につかまりながらも、ずっと同じテンションで続いたのです。

車内の乗客の好奇の視線をビシバシ浴びながら、こうしてめでたく『エンペラーペンギン双六英語版(ボースマ博士監修版)』が完成したのです。

「あっ、そうそう!マゼランペンギンバージョンをつくる約束を忘れないでね!データや写真は提供するから…」てな調子で、ついに『マゼランペンギン双六』の協同製作までが決まってしまったのでした。

では、1回目はこんなところで…

次回は、ボースマ博士の「海の『歩哨』としてのペンギン」という考え方について、ご紹介致します。

コメント / トラックバック 8 件

  1. penguinman より:

    お疲れ様でした。いよいよ、次のステップですね!!!私もフンボ保護協力の新ステップに向けて、スタートしていきます。今後ともよろしくお願いいたします。

  2. 上田一生 より:

    penguinman 様

    温かいコメント、ありがとうございましたm(__)m!!
    今後とも、お力添えを、よろしくお願い申し上げますm(__)m!!

  3. 斎藤美香子 より:

    先生、フォークランド滞在を終えて、プンタアレナスまで戻ってきました。ペンギン会議、お疲れ様でした。出席できなかったのが残念ですが、是非今度お話を聞かせてください。
    こちらもいろいろと実り多い滞在でした。イアンともゆっくり話が出来ました。

  4. 上田一生 より:

    斎藤美香子 様

    お疲れ様ですm(__)m!!遠くからのコメント、ありがとうございます(^o^)/

    今年のフォークランド、プンタアレナスはいかがですか?イアンさんはお元気でしたか?

    きっと素晴らしい体験をたくさん重ねられたんでしょうね!楽しく、貴重なお話を楽しみにしております(^o^)/
    どうか、日本までお気をつけてお帰り下さいm(__)m!!

    ところで…、私は忙し過ぎて、まだパブロに会ってません(涙)(涙)(涙)

  5. 斎藤美香子 より:

    先生、お返事ありがとうございます。
    はい。いろいろ成果はありました。次回お会いする時にでも是非!!

    ところで・・・まだパークに行かれてなかったのですね(汗)
    後半は混みますよ〜〜。欠品しているグッズも大分出ているかも知れません(涙)。でも先生の普段のスケジュールを考えれば・・・仕方のないことですよね。

    ホントに休息・・・取れる時に取ってくださいね。お体お大事に。

  6. 上田一生 より:

    斎藤美香子 様

    コメントをありがとうございますm(__)m!!
    どうかお気をつけてご帰国下さい(^o^)/
    最近、ピアリには行ったんですが…、ついにパブロは手に入りませんでした(涙)

  7. むらペン より:

    キガシラペンギンを捕まえようとする家族!いけませんね。10時間歩き続けるボースマ博士はタフですね!
    私もタフになりたいです!マゼラン双六も楽しみですね!(^∋

  8. 上田一生 より:

    むらペン 様

    コメントありがとうございますm(__)m!!
    「マゼラン双六」、次回の「ペンギン会議全国大会」にはご披露できるよう頑張ります(^o^)/

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