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水族館プロデューサーの中村元様から以前書いて下さった「書評」をいただきました(^○^)!!

2014 年 9 月 6 日 土曜日

まずは、中村元様から頂戴したメールをご覧下さいませ_(._.)_!!:

「中村 元です。

上田先生 ご無沙汰が長く続いています。 実はボクは赤旗新聞からよく書評依頼があるのですが、新たな書評依頼で過去の書評にどんなことを書いていたのか確認していたら、なんと15年前に、先生の「ペンギンの世界」の書評を書いていることが判明しました。 まだ鳥羽水族館副館長をやっていた時代のことです。 その時の書評をお送りします。

ペンギンの世界 」 上田一生著
 多くの人が、ペンギンはただただ無条件に可愛いと信じている。写真やヌイグルミを求め、愛らしいキャラクターを擬人化し、水族館で歩く姿に笑顔を向けるのだ。まるでそれがペンギンを愛している証であるかのように。
 しかしペンギンは生きている。フィールドで出会うペンギンは皆、たくましくも脆い命の塊だった。思慮深くたたずみ、大自然に立ち向かい、天敵から逃げ、そして生まれ、おびただしく死ぬ。
 本当に動物を愛する人たちは、動物をヒトの目の尺度で見たり、見た目の愛らしさだけに愛情を注ぐことはない。相手の生活や価値観をさらに深く理解するために、動物の生から死まで、その全てを共感しようとするのだ。
 ペンギン好きが高じた著者は、ペンギンとはいったい何者なのか?どんな暮らしをしているのか?どうやって子孫を残してきたのか?どのようにエサを捕るのか?なぜ飛ばないのか?そして彼らと共存する方法はあるのか?と次々に知りたい欲求を持ち、それを実践的に理解していった。正真正銘のペンギンを最も愛する人たちの一人である。
 実は、ペンギンを知ることは、この時代でも難しい。南極のペンギンは極寒期のブリザードの中で子育てをするし、多くのペンギンが水深数百メートルでエサを捕る。そこはとうていヒトの行けるような場所ではないのだ。しかし、それだけにペンギンを知ることは、ペンギンの生態を探るという意味にとどまらず、私たちの住む地球を知り、生命の持つ意志の力を感じ、私たちの未来を考えることにつながる。
 生物学の基礎知識のないごく一般的な読者が、動物の生態を扱った本に興味をひかれるかどうかは、その部分だ。そしてそれはひとえに、著者がどれほどその動物を愛しているかにかかっている。本書には、著者のペンギンに対する深い愛情が、非常に強く感じられるのである。
書評:中村 元」

中村元様、こちらこそご無沙汰致しまして申し訳ございませんm(__)m!!その後のご活躍は、様々な媒体で拝見しております(^o^)v!!

さて、この度は、お忙しいところを、大変貴重な「書評」をお送りいただき、本当にありがとうございましたm(__)m!!『ペンギンの世界 』(岩波新書、2001年)は、私にとりましても、忘れることのできない1冊です(^○^)!!「あとがき」には、21世紀が人間とペンギンにとって希望に満ちた世紀となる期待を記しましたが、それから十数年後の現状は、人間にとってもペンギンにとっても、残念ながら「明るい」ものではありません。

しかし、野生動物の現状や動物園・水族館に対する一般の認識は、中村元様をはじめ多くの方々のご努力によって、少しずつ変わり始めている。そう感じております!!

今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます!!

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