近藤鉄也さんのチリ便り〜第55回〜アルガロボとチャナリャルの最新調査情報をいただきました(^○^)!!

2013 年 4 月 19 日 金曜日

まずは、近藤様からいただいたメールをご覧下さいませ_(._.)_!!

「上田様

いつもお世話になります。 本日定例のアルガロボ調査に行ってきましたが、前回よりも数が減っておりました。 巣に籠る親鳥は1羽のみ。昨年とは明らかに様子が違います。放棄卵の保護以前に産卵があるか心配です。

一方、今月1日付の地方紙によると、2月にCONAF(チリ森林公社)が行ったチャニャラル島調査では880羽で、以前よりも減少しているとのこと。
http://www.chanarcillo.cl/articulos_ver.php?id=66263
この島は調査方法によって個体数が違うことで有名ですが、2003年2月のニュージーランドチームの調査では16000羽以上が確認されています。 海流等の影響で、今期だけ減っているのであればよいのですが‥。

また連絡いたします。

近藤鉄也さんのチリ便り〜第55回

近藤様、いつも貴重な最新情報をいただき、本当にありがとうございます_(._.)_!!

昔からチリとペルーのフンボルトペンギンの個体数調査には難問が山積していました。まず、調査すべき繁殖地が長大な海岸線に沿って南北に散在していること。これを全て繁殖シーズン内に1人で調べるのは至難のわざです。

次に、繁殖地には危険な岩場が多く、足場が悪いのでなかなか素早く広範に動き回ることができません。また、繁殖地に散在する巣穴は、奥行きの浅いものもありますが、地中で迷路のようにつながっているものもあり、その最深部に潜んでいる個体を正確に確認することは、困難なことも少なくありません。

さらに、餌生物の分布や多寡によっては、本来の繁殖地を一時的に離れ、餌生物の分布が回復するまで、生まれ育った繁殖地を遠く離れて生活する個体もいるのです。こういう場合、個体に何らかの標識をつけておくと、長期の移動観察とデータ蓄積が可能です。しかし、残念ながら長年人間に虐げられてきた野生のペンギンは、人の姿をチラッと見ただけで逃げてしまうことが多いため、標識を多数の個体につけるということは、あまり現実的ではありません。

今回の確認個体数の減少が、これら「調査の阻害要因」がたまたま重なったための結果なのだと思いたいところですが…、さて、現実はいかがでしょうか?

今後とも、継続的な調査を、何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m!!

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