最新イギリス「子どもの本事情」〜その4〜テレビアニメーション関連本も書店にズラッと並んでます!

2011 年 9 月 19 日 月曜日

日本にはるかに先駆けて、ヨーロッパでは「テレビの多チャンネル化」が進んでいました。チャンネルの爆発的増加は、番組枠の急増に直結し、それがまた一層「番組の国際化」を加速したのです。

日本でもそうですが、テレビチャンネルが増えたからといって、番組作製予算も増えるわけではありません。ですから、チャンネルの増加は、悪くすると「番組の粗製乱造=質的低下」あるいは、「海外からの既製番組買い入れ」、あるいはネットに流れる各種映像の流用的紹介、という事態を招きます。

最近、そういう意味で、英語圏諸国では、海外からの「番組買い入れ」が急増しているのです。へたをすると、去年オーストラリアで見た番組を今年はイギリスでまた見させられる、という状況になるわけです。私は、実際にそういう目にあったわけですが…。

さて、このようなテレビ業界の実情は、「子どもの本」の世界にも微妙な変化を生みつつあります。

例えば、これまでも、世界的にヒットした有名アニメーション映画作品の関連本が、書店に並ぶということは普通にありました。『マダガスカル』のスピンアウト版である『ペンギンズ』、『ハッピーフィート』、『サーフズアップ』等の関連本は、今でも英語圏諸国の書店に見られます。

しかし、テレビアニメーションのキャラクターを主人公にした関連本は、だいたいその原作国に限定されていて、広く複数の国の書店で売られている、という状況はありませんでした。今や、「Amazon」で世界中の出版物を直接購入できる時代なのですから、わざわざ書店に海外から送料をかけてまで本を取り寄せて並べるメリットはない。そう思われるのですが…。

しかし、現実には、イギリスやオーストラリア、アメリカの書店には、ほかの英語圏諸国の「テレビアニメーションキャラクター」をテーマにした本が、ズラッと並んでいるのです。需要があり採算がとれているのだろう、と思います。

実例をあげましょう。

『THE OCTONAUTS & the Great Ghost Reef』(MEOMI作、HarperCollins Children’s Books、2011年)は、2009年にアメリカでハードカバー版で登場。2011年に、イギリスでペーパーバック化された作品で、広く英語圏諸国の書店で売られています。この作品はシリーズ化されていて、ほかにも3冊出ているのですが、重いので1冊しか買いませんでした。

『THE OCTONAUTS & the Great Ghost Reef』(MEOMI作、HarperCollins Children's Books、2011年)表紙 『THE OCTONAUTS & the Great Ghost Reef』(MEOMI作、HarperCollins Children's Books、2011年)なか見1 『THE OCTONAUTS & the Great Ghost Reef』(MEOMI作、HarperCollins Children's Books、2011年)なか見2 『THE OCTONAUTS & the Great Ghost Reef』(MEOMI作、HarperCollins Children's Books、2011年)なか見3 『THE OCTONAUTS & the Great Ghost Reef』(MEOMI作、HarperCollins Children's Books、2011年)なか見4

このキャラクターを製作・展開しているのは、カナダ(ヴァンクーヴァー)に本拠をおいて活動しているクリエイターグループ=meomi。その中心人物は、Vicki WongとMichael C. Murphy。彼らの一連の作品は、アニメーション、玩具、出版物等の形で、英語圏諸国に急速にファンを拡大しているのです。

OCTONAUTSには、8人(?)のキャラクターが設定されていて、この内、ペンギンキャラの「PESO PENGUIN」には「救護班」という特殊技術が割り当てられています。細かいことにはちょっと弱いが、モンスターに打ち勝つ勇気は人一倍!というキャラです。

まあ、カナダ版サンリオを目指しているのだと思いますが、このテのキャラ設定、プロダクション展開は、テレビ+出版物+グッズ展開という手法で、瞬く間に英語圏諸国に広がりつつあります。「ぺもの図鑑」でご紹介したぐるみは、ほかの会社の具体例です。

「キャラ展開は日本のお家芸、専売特許という時代」は、間違いなく過去のものになりつつある。少なくとも、最近数年間の英語圏諸国での変化を現地で観察し、具体例を目の当たりにするかぎり、そういう印象を強く受けるのです。次回は、さらに別の例もご紹介しましょう。

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