最新ペンギン展示施設「ペンギンヒルズ」の監修者としてのねらい(^o^)/

2011 年 5 月 12 日 木曜日

皆様、このGWに、「ペンギンヒルズ」をお訪ねいただけましたでしょうか?すでに、「オープン式典の様子」は、何回かお伝えした通りです(^o^)/また、平川さん(ペンギンスタイルさん)のサイトでも、楽しい動画や映像で、4月25日の「オープン式典」をご紹介いただきました!

さらに、ありがたいことに、YouTubeの『Hola!ペンギンヒルズ!!』(連続5話)は、累計30000アクセスを突破する勢いです(^o^)v
フンボルトペンギンの基本的生態や現状を、最新の野生地の映像を交えながらお伝えする番組です。まだ、ご覧になっていらっしゃらない方は、ぜひ一度お楽しみ下さいませ_(._.)_!!

さて、今回は、「ペンギンヒルズ」の監修者として、この新しいペンギン展示施設の特長とねらいについて、いくつかのポイントをご説明しておきたいと思います(^o^)/

まず、このオープン式典後の記念撮影風景をご覧下さい。壇上にいならんだ埼玉県知事、来賓の方々、そして招待された幼稚園児たち。それを撮影しようという報道陣と園児の保護者のカメラの放列!これが、この動物園の特長を如実に表しています。
つまり、「埼玉子ども自然公園」という看板からもわかるように、この動物園は、「教育普及活動」特に「家族での教育活動」に重点を置いている施設なのです。

オープン式典後の記念撮影風景 オープン式典後の記念撮影風景を撮影しようという報道陣と園児の保護者のカメラの放列

従って、新しいペンギン展示施設の基本的性格も、いわゆるエンターテインメント中心、集客数中心ではなく、ペンギンの生態の正しい伝達と、野生地との連携、特に「教育・研究・保全活動」の充実に重点がおかれています。

過去に、私は、長崎ペンギン水族館下関市立下関水族館(海響館)においても、ほぼ同様の趣旨で、新展示施設の監修をしてきました。
しかし、各々の設立経緯や施設全体の運営方針、あるいは周辺環境等に応じて、独自のねらいを別途に定め、全ての施設が単なる「コピー」にならないよう、かなり際立った特長を付加する努力をして参りました。

例えば、長崎ペンギン水族館は、館全体がペンギンに特化した水族館として、数多い飼育種の特徴を深く理解できるような配置、展示手法にこだわりました。その最新の事例が「ふれあいペンギンビーチ」です。
また、下関水族館では、フンボルトペンギンについては野生地との関係を重視するとともに、亜南極ゾーンについてはペンギン達の潜水・遊泳能力を可能な限り自然に引き出せるよう、プールの水量と水深にこだわりました。

今回の「ペンギンヒルズ」では、これら先進の水族館と同じ手法を用いて「張り合う」のではなく、動物園ならではの特性を十分活かしきることに努めました。その最大の特長が「広さ」です。

ペンギン単独の飼育施設としては世界最大となる3900超という展示面積は、そう簡単に確保できるわけではありません。下手をすると、小さな動物園が丸々1つ造れてしまうくらいの敷地なのです。これは、広大な敷地を有する動物園だからこそ実現できたことです。

展示面積を大きくしたねらいは、3つあります。

第1は、全体を「人とペンギンを隔てる柵や囲いをなくしたウォークスルー」とすること。そのためには、ペンギンに十分な「逃走距離」を確保してやらなければなりません。

第2は、フンボルトペンギンの野生地である小島の丘を再現したかったこと。実際に、今回のモデルとなったチリのプニウィルは、小さな島がいくつか集まった「緑豊かな丘」なのです。
第3は、ペンギン達に十分な繁殖場所=空間を確保してやり、できれば「土に巣穴を掘る」という、自然な繁殖生態を引き出したかったからです。

施設内には、丘が2つあります。1つは「繁殖用」で、もう1つは「観察用」なんです。より低い丘の上にテントを張り、一晩そこに泊まり込んで、ジックリペンギン達の夜の生態を観察する。
これを「ペンギンキャンプ」と呼んでいますが、実は、その日は、園長の日橋さんやスタッフの方々、ご希望のお客様(定員有り)と共に、私も泊まり込んで、「ペンギン解説」をする予定です(^o^)/具体的な実施日程は、追ってお知らせ致します!!

さて、「ペンギンヒルズ」のもう1つの大きな特長は「豊かな花と緑」です!従来のフンボルトペンギンの生息地再現は、「グアノ地帯」をモデルとしてきました。あるいは、葛西臨海水族園のように、「岩場」をお手本にしています。

しかし、フンボルトペンギンの生息環境は、もっと多様です。先程ご紹介したプニウィルは、雨が多く、緑と花に満ちた小島なのです。そんな環境を再現するためには、都会のコンクリートに囲まれた狭い施設は不向きです。
埼玉県の緑豊かな丘陵地帯ほど、最適な場所はありません!

だから「ペンギンヒルズ」は、文字通り、洪積台地の岡の上にあります。動物園の正面ゲートからは、ずっと登り坂です(^o^)/覚悟して下さい!

埼玉県こども動物自然公園正面ゲート

とはいっても、「シンドイ」という方には、「サイポッポ」という園内移動手段も確保されていますからご安心下さい_(._.)_!!サイポッポは、あの「保護者のカメラの放列の写真」の後方に写っています。

新しくなった園内サイン 新しくなった園内サイン 新しくなった園内バナー

「ペンギンヒルズ」へは、新しくなった園内サインやバナーを目印に進んで下さい_(._.)_!!最後のアプローチの登り坂を見上げると、そこにきれいな「プールの波」が見えるはず(^o^)/なんと!ヒルトップに青々とした波のあるプールと、木々に囲まれた緑の丘が出現するのです(^o^)v

ペンギンプール

まだまだ細かい話は尽きませんが、今回はこのへんにしときましょう(^○^)

では皆さん!「ペンギンヒルズ」でお会いしましょう(^o^)v

コメント / トラックバック 7 件

  1. おんじゅん より:

    ペンギンヒルズ、週末にお伺いします!
    記事を拝見したら、ますます楽しみになってきました。

  2. mew より:

    ペンギンキャンプですと!?
    ヨダレがでそうな企画ですね〜!

  3. 上田一生 より:

    >おんじゅん 様
    コメントをありがとうございます_(._.)_!!
    週末がお天気になることをお祈りしております(^o^)/
    まだまだフンボルト達は「団体行動」していると思いますが、今年の最初の繁殖期を経験すれば、群がバラけてくると思います(^○^)
    いろいろな季節に訪れて、楽しんで下さい_(._.)_!!

    >mew 様
    ヨダレですか!?(^○^)キャンプといっても、「ペンギンバーベキュー」はありませんよ(^o^)/
    「キャンプ用の小さな丘」には、たぶん20人くらいは、テントを張って泊まれると思います(^o^)v
    トイレも、施設のすぐ近くにありますから、便利です!!ぜひ、ご参加下さい_(._.)_!!

  4. ぺねこ より:

    ペンギンキャンプいいですねぇ。
    楽しそうだなぁ。
    1日中ペンギン見てたい。

  5. 上田一生 より:

    >ぺねこ 様
    コメントをありがとうございます(^o^)/
    「ペンギンキャンプ」は、昼間から開始するつもりですので、一日中ペンギンを眺めていることもできますよ(^o^)v

  6. kidango より:

    ペンギンビレッジは少し前に知ってからとても楽しみでしたので、
    29日に行きました。

    ハイキング気分で坂道を上がるとプールが見えて、
    波に乗っているフンボルトペンギン。
    ちょうど給餌中で動きも面白かったです。

    中に入ってびっくりしたのはプールサイドのロープのみなのと、
    その後方の営巣地!素晴らしいつくりに感動でした。

    ペンギンキャンプのお話もあるんですね。今後も楽しみです。

  7. 上田一生 より:

    >kidango 様
    訪問レポートをありがとうございます(^o^)/
    今後、草もより緑と深さを増し、ペンギン達も環境に馴染んできて、フンボルトペンギン本来の生態を生き生きと見せてくれると思います。ぜひまたお出掛け下さいm(__)m!!

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