11月11日(火)、ロイターから「チリのフンボルトペンギンに関する最新情報」報道がありました。
その動画の中で、インタビューされている「チリの専門家」の発言(スペイン語)を、スペイン語に精通されている小澤由紀子様にお願いして、翻訳していただきましたので、ご覧下さい。
「彼ら(ペンギンたち)は地中深く本格的な巣穴を作りますし、あちらの壁の部分にも(巣穴を作ります)。
現在、フンボルトペンギンが直面している一連の脅威は減っていません。したがって、ここの個体群はその影響を受けてきました。個体数は減少しています。フンボルトペンギンは繁殖期ごとに個体数が減っているのです。
「現在、この種が危機に瀕している」というのはどういう意味でしょうか?
それは、もし時間の経過とともにこれらの脅威が持続すれば、この種が「危急種」へと移行する可能性が非常に高く、そしてそこから「絶滅」へ至るまでの距離はとても短い、ということです。
カチャグア(※地名)には、私たちがペドロ・パスカルと名付けたオスがいました。
彼は繁殖期後半に、というのも衛星装置は最後の数週間で装着されたからですが、ペドロ・パスカルはカチャグアから、このクラニペ(※地名)あたりまで移動しました。これは、ヒナが自立して自分で海へ向かう(巣立ち)前のことです。
その移動を確認するためでした。陸上の部分はほとんど管理されているのですが、私たちが見ている限りでは、個体数は依然として減少しています。
したがって、対処すべきは海洋での脅威、つまり混獲、漁網による偶発的死亡、さらに海洋資源をめぐる競争なのです。
そして、これは海鳥、つまりフンボルトペンギンを研究する私たち研究者全員が、当局に対してより持続可能な漁業、つまり小規模漁業でも工業漁業でも、すべての分野でより持続可能な漁業を立法化するよう呼びかけるべき点なのです。
そうすることで、私たちは自然と共存でき、自然を単なる採取資源として見るだけではなくなるでしょう。
GPS 機器が示した採餌移動の各ポイントによれば、彼らは主にキンテロ(※地名)へ採餌に行っており、1羽は少し別の方向へ向かっていました。
これまで用いられてきた対策はうまく機能していません。なぜなら、いくつかの取り組みが行われてきたにもかかわらず、個体群が依然として減少し続けているからであり、これは非常に懸念すべきことです。
しかし、関連する対策がなければ、種のカテゴリーを変更すること(危機ランクを上げること)には何の意味もありません。その種が自分たちの場所で生き続け、採餌し続けられるようにする措置が必要なのです。
私たちが訪れた別の繁殖地では、個体数の減少が見られましたが、それはおそらく彼らの周期に関連していると考えられます。
このペンギンたちは、年のある時期に繁殖のため集まり、まさに春・夏のこの時期に、コロニーへやって来て定住し、つがい探しをします。今日はそのことを確認できました。
ペンギンが占有している巣、活動中の巣、巣を作っているペンギンたち、大きな群れで集まっている姿などが確認されました。これは、このコロニーの健康状態が良好であることを示しています。」
専門家へのインタビュー部分の翻訳は以上です。
現在、チリの専門家たちは、テレメトリー、バイオロギングなどの手法を駆使して、フンボルトペンギンの繁殖生態を詳しく把握し、その変化をモニターしようとしています。その中で、漁業との関連改善、より有効な保全法の制定と着実な施行の必要性を、ますます痛感しているようです。
チリのフンボルトペンギンの現状につきましても、新しい情報が入り次第、随時、ご紹介して参ります。
フンボルトペンギン保全へのご理解とお力添えとを、何卒よろしくお願い申し上げます。






