「フォークランドの風」=斎藤美香子様から最新のフォークランド・ペンギン情報をいただきました(^○^)!!

2016 年 6 月 1 日 水曜日

フォークランドの自然環境とペンギン達の現状に精通された斎藤美香子様につきましては、既に多くの方々が良くご存知だと思います。詳しくは、斎藤美香子様の専用サイト「フォークランドの風」をご覧下さい!!では、斎藤様からいただいた「最新のフォークランド・ペンギン情報」をご覧下さい_(._.)_!!

「本日は、フォークランドに関するお知らせです。2015-16シーズンのペンギンの繁殖状況に関する記事が、先日地元新聞一面トップに掲載されました。

現地に今年の3月に行った際にも、「今年の繁殖は壊滅的」と見聞きしておりましたが、やはりペンギンにとっては、大量死があった2002-03のシーズン以来の最悪のシーズンだったようです。

特に影響を受けたのが諸島の西側の島々のイワトビペンギンで、繁殖初期に、約90%のヒナが餓死した島々もあったようです。そして繁殖後半に顕著になったのが、諸島西部の島々での、成鳥の300~500羽単位での大量死でした。

4月末~5月初めと言えば、例年ならイワトビたちは冬の季節移動で、既に島を離れている時期ですが、まだ多くの成鳥たちが島に残っているようです。海岸近くには、衰弱死・餓死した成鳥たちの死体が散乱し、換羽前の採餌がうまく行かなかったためか、換羽が遅れ、今だ島に残っている成鳥たちも生き残れないだろうというFalkland Conservationの見解です。

またジェンツーもイワトビほどではないものの、明らかに餌不足がみられ、また、何か所かで鳥ポックスが発生し大量死したところもあったようです。

フォークランドのペンギンについては、1980年代に顕著な減少が見られ、その後徐々に回復していたところに、2002~2003のシーズンにイワトビが繁殖途中で子育てを放棄・ジェンツーが、赤潮の毒によるものか、麻痺痙攣の症状を見せた後、大量死。ジェンツーについては、数か所のコロニーが消失するほどでした。

しかしながら、その後はしばらく食物にも恵まれた良い年が続き、2010年くらいには、2002年以前の水準にまで戻り、それからもゆるやかな増加を見せていたのでほっとしておりましたが、ここにきて大きな変化が起きてしまいました。

2002-03年の大量死の場合、犠牲になったのは、比較的若い年齢で繁殖を開始・ヒナを2羽育て上げる確率の高いジェンツー中心でしたので、数の回復も早かったと言えると思います。今回は繁殖開始が遅いイワトビですので、数の回復には時間がかかるのではないでしょうか。

今回のことに関しては、未だその分析や原因特定はなされていませんし、まだまだ現地の研究体制が整っていないこともあって、正直、詳しい分析や原因特定がなされるかはなはだ疑問です。前回の2002-03時の大量死も、「赤潮の発生による貝毒等が原因」とまとめられましたが、これに関しても異を唱える研究者も多かったのです。

一方マゼランに関しては例年どおり、キングペンギンに関しても、年々順調に生息数は増加(研究者の所見では、フォークランド海域のキングの餌生物の状況が良いために、サウスジョージア等他の生息地からこちらに移動しているのではないかということです)しております。ただ、フォークランドの97%以上のキングペンギンが集まる最大の生息地を管理するレンジャーの話、また、私が直接見た限りでも、キングペンギンについては、ヒメコンドルによるヒナの捕食率が高くなりすぎているように思われます。

これは、以前は現地の牧羊業で、かつては害鳥扱いされて、地元の農民が大規模に駆除していたヒメコンドル等が、近年の野生動物全体の保護政策により増えすぎ、キングペンギンのコロニーが大規模化するのと併せて、キングペンギンのコロニーが、大量のヒメコンドルを呼び寄せている結果と思われます。

今後も状況を注視していきたいと思っておりますが、まずは、お知らせまで。」

斎藤様、いつも大変貴重なフォークランド情報をいただき、本当にありがとうございます_(._.)_!!斎藤様のご案内でフォークランド諸島を訪れ、素晴らしい自然と野生動植物の息吹とを満喫され、ペンギンの世界に深く深く足を踏み込まれた方々がたくさんいらっしゃいます。斎藤様の活動は、人々の心に「フォークランドの豊かな自然とペンギンたちとを真に愛する種」を蒔いてこられた。そういうふうに、私は理解しております(^○^)!!

これからも、フォークランドの現状につき、いろいろ教えていただければ幸いです!!何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m!!

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