ペルーで新しい大型ペンギン化石が発見されました!

2010 年 10 月 2 日 土曜日

BBC等の報道(2010年9月30日)によれば、ペルーのパラカス国立公園内で、新種の「大型化石ペンギン」が発見され、話題となっています。

ペンギンは体高約1.5m、現生のエンペラーペンギンの約2倍の体重があったと考えられています。また、現生種に比べて、長くまっすぐなクチバシを持ち、背中の羽毛は灰色、腹側は茶色だったと推定されています。

羽毛の色がわかったのは、化石と共にはっきりした羽毛痕が発見されたためです。発掘チームの1人、テキサス大学の古生物学者ジュリア・クラーク博士によれば、「この化石の発見以前には、古代ペンギンの羽毛や羽色に関するはっきりした証拠は何もありませんでした。この化石こそ、長年にわたる研究者の疑問に答えを出す最初のチャンスとなるでしょう。」

この新しい化石ペンギンには、Inkayacu paracasensis という学名がつけられましたが、研究者チームは「Water King」または「Pedro」というニックネームをつけたそうです。ちなみに、ペドロはコロンビアテレビの人気キャラクターの名前だとのこと。

ペドロは約3600万年前、始新世後期の海を泳ぎ回っていたようです。研究者チームは、BBCニュースのインタビューの中で、「ペンギン類の羽毛の基本的構造は、すでに数千万年前からほぼ完成していたようですが、羽色は、つい最近になって灰色+茶色という組合せから現生種のような黒+白に変化したのではないか」と述べています。

「ペンギンの羽色の進化」に関する新しく興味深い論争がまきおこるかもしれません。

なお、詳細につきましては、BBCやナショナルジオグラフィクス等のサイトをご確認下さい。
また、このビッグニュースをお知らせ下さった小澤由紀子さんにお礼申し上げます。

コメント / トラックバック 4 件

  1. のぶ より:

    とても興味深い記事ですね!!

    ペンギンの羽色が昔は白黒ではなかったという事は、海洋生物の収斂進化に関連した事柄も考えられそうですね!!

    ペンギン考古生物学が進むことは、とてもうれしいことです!!

  2. penguinman より:

    お世話様です。貴重なニュースをありがとうございます。次の10年計画はペルー進出からですね。

  3. とり より:

    これは大発見ですね!
    貴重な情報をご紹介いただき、ありがとうございます〜。

    腹が茶色ですか・・・ちょっと想像つきません。
    キングペンギンのヒナのような茶色、なのでしょうか・・・?

    どんな姿、大きさだったのか気になります!

  4. 上田一生 より:

    のぶ 様、penguinman 様、とり 様

    皆様、コメントをありがとうございましたm(__)m!!
    いやあ〜、久々の大発見ですね(^o^)/Twitterの世界では、あのディカプリオさんも「スゴい発見だ!!」と興奮しているようです!

    この研究は、ナショナルジオグラフック等の資金的支援を受けた国際的研究チームによって成し遂げられたようです。
    羽色の変化について、特に背中の羽毛の色が灰色から黒に変わったのは、メラニン含有量が増加することによって、羽毛の強度が上がることが考えられるので、背中が黒い種の方が海中での運動機能や耐久性に優れていたからではないか、という仮説が早くも出されています。

    ちなみに、トピックスでご紹介したような学名やニックネーム、あるいはBBCやナショナルジオグラフックのサイトを検索すると、「復原想像図(カラー)」が見られますよ!!(^o^)/お試しあれ!!

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