「ペンギン・ゴッドマザー」ボースマ博士来日

2010 年 6 月 15 日 火曜日

6月1日、アメリカ、ワシントン大学のディー・ボースマ博士と会食した。なんと12年ぶりの再会だった。

ディー・ボースマ博士

ボースマ博士との最初の出会いは1988年、ニュージーランドでの「第1回国際ペンギン会議」。会議終了後も、オタゴ半島のキガシラペンギン保護区の様子を、地元のジョン・ダービー博士の案内で一緒に見学して回った。急な崖をものともせず、ノッシノッシと踏破する力強い姿が印象に残った。

ボースマ博士は、このサイトでもご紹介した、「近代ペンギン学の確立者」=イギリスのバーナード・ストーンハウス博士と共に、あの名著『THE BIOLOGY OF PENGUIN』にも寄稿した。「フンボルトペンギン属研究の第一人者」として、世界的に著名なペンギン学者である。

ペンギン会議の顧問であり、1996年の「フンボルトペンギン保護国際会議」では、ゲストとして日本にご招待し、会議後には、チリのブラウリオ・アラヤ博士と3人で、我孫子の「鳥の博物館」で講演会とパネル・ディスカッションをした。
さらに、その2年後、チリで開催された「フンボルトペンギン生息地評価会議」でも再会し、フンボルトペンギンの具体的保全プランを練った。

だから、彼女とは、ありがたいことに「同志」的お付き合いをさせていただいている。彼女は、自分自身を含め、我々を「penguin people」と呼ぶ。そして、自分はペンギンの「ゴッドマザー」だという。ドップリとペンギン漬けの人生を歩んでいる人だ。実に羨ましい!!

しかし、今回のボースマ博士の来日は、ペンギンとは関係がない会合のため。せっかく久しぶりに来日するのだから、ペンギン会議の仲間と会ってごはんでも食べよう!そういうことになった。

実に、楽しい食事だった。彼女からは、彼女自身の活動に関するリーフレットと、2008年に出た科学雑誌をプレゼントされた。

The Penguin Project The Penguin Project BioScience BioScience

彼女のペンギンへの情熱は、少しも衰えていない。いわく、「アルゼンチン沿岸のマゼランペンギンの死亡原因のトップだった重油汚染を激減さすることに成功した!」、さらに「ペルーの研究者、漁業関係者との5月末の会議で、ペルー〜チリのフンボルトペンギンの個体数は30000〜40000羽とわかった」という。

「ペンギンは地球環境を教えてくれる大切な仲間だ!」という彼女の主張には、私も全面的に賛成だ。「保全生物学」が専門で、学校教育、動物園・水族館の役割をも重視するボースマ博士の研究・活動姿勢は、私のお手本の1つ。

実は、今月中にもう一度お会いする予定。その時、もっと詳しいお話を伺い、最新のペンギン情報をお伝えしたいと考えている。

集合写真

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