繰り返すことの大切さについて(^○^)!!

2012 年 9 月 2 日 日曜日

朝日新聞8月31日(金)の「はがき通信」です(^○^)!!NHKの「フローズンプラネット第一回」の「コウテイペンギンの雄の抱卵」に感激し「今年一番の感動の作品」という感想を寄せた方がいらっしゃるとのこと。何気ない記事ですが…、私には見過ごせないポイントを含んでいる大切な「指摘」だと思っています。

朝日新聞8月31日(金)の「はがき通信」 朝日新聞8月31日(金)の「はがき通信」

エンペラーペンギンの繁殖生態については、これまでにも様々な媒体で繰返し詳細に紹介されてきました。特に、フランスのリュック・ジャケ監督による映画作品『皇帝ペンギン』は世界的な一大ヒット作となり、日本でも大変な人気だったことはご存知の通りです。そのDVDはいつでも購入したりレンタルしたりが可能です。

だから、エンペラーペンギンの繁殖生態については、いつでも正確で迫力ある映像情報を入手することが可能です。また、専門書や一般書も多数出ていますので、図書館や新刊書店で比較的容易に詳細な情報を入手することができるわけです。

しかし、それで本当にこのペンギンに関する正確な知識や情報が普及しているのかというと、実情ははなはだ心許ない…と言えると思います。

先日の「サッカーイベント」での「南極とペンギンのお約束イメージ」にも同様のパターンが見られますが、これまで定着してきた「ペンギンイメージ」を修正したり新たな情報を加えたりするのには、実は大変な忍耐と時間と手数が必要なのです。このことで、25年間以上、「砂地に水をまくような虚しい思い」をしてきた私としては、この問題は「永遠のテーマ」のようにさえ感じられます。

実は、テレビやマスコミの方々は、いざ真剣にペンギンの生態を紹介する番組や記事を制作しようとすると…「それはすでに報道されている」、「映像としてインパクトがない」、「それは一般に知られている」…等々の理由で、企画が却下されることがほとんどなのです。この場合、上に述べてきたような「事実」は全く一顧だにされません。つまり、日本人はごく当たり前に「南極ペンギンと温帯ペンギンの違い」がわかっており、「エンペラーペンギンの雄の子育て」については完全に知っている…それは常識だ。…というわけです。果たしてそうでしょうか?

マスコミの方々が認識している「野生動物に関する一般の共通認識」と、現実の認識との間には、残念ながらかなり大きな乖離があると強く感じております。そして、これは、環境問題や地球温暖化やそれ以外の今日的課題についても、ほぼ同様だと思います。換言すれば、「情報の送り手」と「情報の受け手」の認識に深刻な溝が横たわっており、そのギャップは拡がりつつある。そう思われるのです。

ところが、いざ何かの事件(ペンギンの脱出事件)が起きたり新たな番組(「フローズンプラネット」のような番組)が公開されたりすると、「温帯ペンギン」のごく基礎的な知識についてさえ…、「そんなことは初めて知りました」、「本当に知られていないんですね!」等という反応が必ずかえってくるのです。

結論を申しますと、基礎的な情報は、もう聞きあきたとかもう十分だと考えたりしないで、反復し徹底して定着を図るべきだと考えます。特に、ペンギンに関する情報は、冒頭で話題にした『フローズンプラネット』の件を見ても明らかな通り、地球環境問題に直結する極めて重要で国際的にも共通認識の形成が急務となっているテーマです。

様々なペンギン情報を、反復や重複を恐れず、これからも真摯に供給し続けること。それが、実は遠回りなようで、一番着実で正確な「地球環境情報の提供」姿勢だと思います。

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