大震災から一年半の間になにが起きたのか?

2012 年 9 月 12 日 水曜日

あの震災から一年半が経過した。震災直後の混乱は一見、どこかに消えて完全に終息したような感覚が蔓延していないだろうか?

一年半という歳月は、被災地以外の地域で生活している人々にとっては、その後に次々に出現した内外の様々な「できごと」の累積という忘却促進作用によって「リセット」されてしまうには、十分な時間なのかもしれない。

何回も記してきたが、「長期戦に弱い日本人」がそろそろ露骨に顔を出しつつあるような気がする。

まず、どんな大災害があろうと周辺諸国は、決して全面的に人道的な対応を示し続けてはくれないという事実。むしろ、「弱みを抱えた日本だからこそ揺さぶる」という姿勢を示しているこれらの国々に対して、如何に冷静で適切な対応をするか?この程度の外交的揺さぶりは、世界史的にみれば、むしろ「外交と地政学上の常道」。だから、この内憂外患に如何に対処するかということは、戦後の日本の平和主義や実力が試されている。そのように考えるべきだと考えている。

一方、国内では、国民の生命と財産を守ることを最大の使命としているはずの政治家(政治屋)が、集団で「国政」を放棄し、「維新」などというパフォーマンスに奔走し、自らの保身や「収入の確保」にのみ時間を費やしている現状。直ちに手当てすべき同胞の危機を依然として一顧だにせず、身内の派閥争いに一喜一憂している有り様は、あさましいとしか表現できない。

まだまだ「自助の段階」にある。総合的に見ると、そんな印象を拭いきれない。

しかし、自然は果たして待ってくれるだろうか?様々な自然の猛威…我々が教科書の中でのみ認識してきた「巨大な地球規模の地震帯」に浮かぶこの島国。また、対流圏に起こりつつある大気運動の大きな変化。専門家でさえ、十分に把握しきれていない地球と自然の力が、いつ、どのように私たちの日常生活を揺さぶるのか?

私たちは、そういう突然の大きな変化にも、心と体の準備をしておかなければならない。マスコミは「首都直下型大地震」の危機を煽る。しかし、今からほんの一年半前、あれほど「確約されマスコミも太鼓判を押していた」はずの「想定された津波」は来なかった。かわりに、被災地を襲ったのは「想定外」と「説明」されてしまう「巨大津波」と「壊れないはずの原発」がひきおこした人災だったのだ。

肝心なのは、あらゆる変化にへこたれない、柔軟で回復力の高い心と体だ。まだまだ続く。この国に暮らす限り、この美しく逞しい日本の自然と賢明につきあう道を、手探りで求め続けなければならないだろう。

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