海洋マイクロプラスチックに関する最新の国際共同研究結果が発表されました

2025 年 5 月 13 日 火曜日

NHKなど一部報道機関を通じて、5月12日(月)にニュースとして伝えられましたが、「世界の海のマイクロプラスチックに関する最新情報」が公表(5月1日)されました。

まずは、その詳細を以下のサイトにてご確認下さい。このサイトは、国立研究開発法人「海洋研究開発機構(JAMSTEC)」の専用サイトです。

https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20250501/

サイト上での発表タイトルは、「海洋水柱におけるマイクロプラスチックの全球分析を解明」というもの。

「水柱」とは、水面から水底までの鉛直方向の水の層のこと。「全球」とは、地球全体ということ。従って、今回の発表は、「地球上の全ての海洋の全ての水深についてマイクロプラスチックを調査・分析した結果」ということになります。

これをまとめた「科学論文」は、学術雑誌『Nature』に、2025年5月1日付で掲載されています。今回の国際共同研究に参加した研究機関、研究者は、日本、ニュージーランド、アメリカ、中国、オランダ、スイス、チリ、イタリアの8ヵ国。地球全体、1885ヵ所の海域の「海洋水柱」に関する10年間分(2014~2024年)のデータ分析が行われました。

その結果、「全ての海域、あらゆる水深においてマイクロプラスチックの存在が確認された」とのことです。もちろん、海域や水深によってマイクロプラスチックの量や密度にばらつきはあるものの、世界中の海洋が「巨大なプラスチック貯蔵庫」となりつつある現状が確認されたわけです。

今回の発表では、そのマイクロプラスチックによる「海洋生態系や海洋生物への具体的な影響」については、言及されていません。それについては、これから様々な分野の専門家による研究・分析報告が発表されるに違いありません。

ペンギンなどの海鳥、ペンギンの餌生物、ペンギンの捕食者たちによって構成される「海の食物連鎖」や「海の豊かさ」、「海洋汚染」との関連についても、「海洋マイクロプラスチック問題」は、今後、大きく主要なテーマとなっていくことでしょう。

もちろん、こういった現状が「人間の生活や健康に及ぼす影響」についても、真剣に考えていかなければなりません。「大気圏内での人間活動による変化」については、「地球温暖化」や「気候変動」という形で、少しずつ共通認識と「対策」が具体化しつつあります。今後は、「水圏内での人間活動による変化」についても、その現状を常にモニターしながら、「変化の実体」をできるだけ正確かつ細かく把握し、「効果的な対策」を検討・実行していく必要があるでしょう。

人間活動が地球規模での環境変化を惹き起こす「人新世」に入った現在、「地球規模で現状を把握」し、「個人レベルで対応」する視野と知恵と行動力が求められていると考えております。

「水圏を代表する大型動物」であるペンギンは、人間の幸せな存続と人間との共存について、貴重なデータやヒントを与えてくれるに違いありません。今後も、「世界の海洋」に関する情報に注目していきたいと思います。

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